2週間で中3の女生徒の成績を急上昇させたときに感じた「違和感」
■大学生のアルバイトでの家庭教師経験
神戸大学生の頃、僕もまた家庭教師仲介業者に登録してアルバイトをしていました。
ある時、登録した会社から電話がかかってきて
「吉村先生ですか?あの、担当してほしい案件がありまして…」
どんな案件かというと、中学3年生の中高一貫校の女の子で、中間テスト対策を2週間だけ受け持ってほしいという内容でした。
ただ、なんと担当する科目が【化学】と【生物】でした。。。
僕はそもそも会社に教師登録した時に、指導可能科目として【英語・数学・国語】の3科目しか登録していません。っていうか、センター試験の理系科目は物理だったので、化学も生物も全く勉強していませんでした。
当然、お断りしました。
ところが翌日、その翌日、そのまた翌日も会社から何度も電話がかかってきます。
「吉村先生しかいないんです!なんとかなりませんか?」
「吉村先生だけが頼りなんです」
「時給も少しだけなら交渉できるので・・・」
そもそも対応できない科目だし、断ってるのにあまりにしつこい電話に嫌気が指したのですが、もうこのままでは何回断っても電話がかかってくると思ったので、もう諦めて引き受けることにしました。たったの2週間だしと思って。
家庭教師業者って本当、いい加減ですよね。家庭教師を派遣さえできて、クレームさえ来なければ良いんですから。
仕方なく、2週間限定で受け持つことになりました。
■冷静に考えれば、定期テスト対策ってめちゃくちゃ簡単じゃない?
生徒の状況はなかなか悲惨なものでした。
250人ほどいる学年での化学の前回順位は246位。生物は200位くらい。
生徒自身が不真面目というわけではなく、苦手で授業にもついていけず、どうしようもなくそうなっているような状態でした。
ちなみに、僕にも化学や生物のことはわからないので、どうしようかなぁと考えていましたが、ふと、僕は思いました。
「定期テストってだいたいワークとかやってれば点数とれるくない?さらに言えば、ぶっちゃけ、理解していなくても答えさえ書ければ点数は取れるわけで。。。」
例えば、ミトコンドリアで生み出されるものはなにか?という問いに対して、ミトコンドリア内で何が起こっているかがわかってなくても、さらに言えばミトコンドリア自体がなんのことかどこにあるのか全くわかってなくても、とりあえずこの問いには「エネルギー」と答えられたら正解し、点数がもらえるわけです。
「この問いには『エネルギー』と答えるんだよ?」と教えられた小学1年生がいたとして、その小学生がよくわからず「エネルギー」と答えても点数になるんです。
そして、だいたい教科書やノートを見ればテストに出そうなところはわかるじゃないですか!
そうふと思ったとき、とりあえず2週間しかないし、教科書から出そうなところだけ抜き出して、一問一答問題集作ろうとなり、実際に僕もよくわからないまま、問題集を作りました。
■週4回、集中的に行った授業では、一問一答とワークを繰り返しただけ。
ひたすらテスト範囲の一問一答を口頭で繰り返していきました。
最初は全く答えられなくても、その都度、答えを確認して何回も繰り返せば覚えていきます。漢字が書けるかどうかは気になるものについてのみ、その都度、確認していきました。
ある程度、出来上がったら、つぎは逆に問題の方を覚えてもらいました。
2週間これを繰り返した結果、テストの成績発表で、まさかの結果が返ってきました。
化学…96位(約250人中)
生物…116位(約250人中)
※生物に関しては正確な順位を覚えてませんが…。
まさかの結果に、親御さんが大興奮。本人も大喜び。笑
親御さん曰く、塾にいかせても京大生の家庭教師をつけても、個別指導にいかせても成績が上がらなかったのに、なぜ!吉村先生すごい!!!ということでした。
こんなに成績が向上することを誰が予測していたでしょうか。たった2週間で、です。
僕も相当、嬉しかったです!笑
■僕のテンションは急降下し、感じた「違和感」
僕はこのたった2週間の自分の成果に嬉しくなり、友達に自慢しました。
「え、すげ!笑」
「それはやばいなぁw」
「めちゃ頑張るやん!」
そんな反応が返ってくる中、ある友達の発言で、急激に僕のテンションは急降下しました。
「すごいやん!笑 まぁでもおれ、1時間だべっとくだけで3000円もらえるけどなw」
僕の時給は1350円でした。
僕は、授業時間外にテスト範囲の教科書のコピーをみながら、一問一答集を作っていました。そんな時間外労働を考えたら時給は1350円なんか遥かに下回ります。。
「なんで?」
急に、疑問が湧き始めました。
「こんな頑張って成果出しまくった僕と、1時間だべってるだけの友達で、なんで友達の方が時給が倍以上も高いん…?」
待って?
僕、2時間頑張ってひたすら口頭で一問一答解かせてるのに2700円やで?
あいつ2時間、適当にやって6000円やで?
…おかしいやん!!!!!!(泣)
これは絶対におかしい!こんなに絶対に間違ってる!
そう思った瞬間、なんで成果主義じゃないねん!成績伸ばしたら伸ばした分だけ親御さんのニーズ満たしてるねんから!なんで給料一緒なん?どう考えてもおかしいやん!
こうして、なぜ成果主義じゃないのか、という「違和感」そして、塾や家庭教師業界の中にあるおかしな現実に気づいてしまったのです。
■塾や家庭教師の仕事は教えることじゃない。
気づきました。僕は家庭教師の仕事の本質に。
家庭教師や塾の先生の仕事は、教えることではない。
…成績を伸ばすことだ。
そうです。「教えること=成績を伸ばす」ではありません。
要は、教えたからといって成績が伸びるわけではないということですね。
だとしたら、成績を伸ばしていない塾や家庭教師は仕事をしていないことになります。
ええ、彼らは仕事をしていません。僕ははっきりとそう捉えています。
なぜなら、親御さんが求めているのは志望校合格やその為に成績を上げることだからです。それを求めて、塾や家庭教師をつけているのに、そのニーズに応えていなければ全く意味がありませんよね?
もちろん、親御さんのニーズとして、成績が伸びなくてもこの「努力する」という経験は子供の将来にも繫がるし…というのもあるかと思いますが、そういったものは何も勉強である必要はありません。
そう考えると、家庭教師の本質的な仕事は「成績を伸ばすこと」であり、僕は2週間で誰よりも成績を伸ばしました。
ということは、誰よりも仕事をしたのです。なのにも関わらず、これまで成績を伸ばせなかった教師と同じ時給、むしろ、授業時間外に問題を作成していたことを考えればそれよりも低い報酬だったりします。
これはおかしいと思いました。
■悪徳な塾・家庭教師業界
よく考えてみると、塾・家庭教師業界にはおかしな点がたくさんあります。
その最も大きな点が「成績を上げても下げても同じ料金」というものです。
これは一見、当たり前のように見えるし、確かに「成果によって料金を変える」というのは、成果をどうやって測るか、誰のどの指導が成績向上に繋がったかなどがわからないので難しいです。
さらに、どんなに頑張って指導してもなかなか上がらない生徒がいるのは確かだし、生徒にそもそものやる気がなければ大幅な成績向上は難しい場合が多いからです。
ただ、上記のように指導する側がどんなに頑張っても…というほどに一生懸命頑張っていれば良いんですが、この「成績を上げても下げても」というのは逆に「成績が上がらなくても仕方がない」という逃げ道を与えているのです。
「私はしっかりと指導しました」
といえばこっちは精一杯したけど「あなたのお子さんが点数とれなかったんです」という意味になり、親御さんは何もいえないかもしれません。
塾や家庭教師はそのように逃げることが可能です。正直、指導する人間の責任感にすべてがかかっています。果たして、本当にそれで良いのでしょうか?
そんなのが当たり前の常識として存在しているからこそ、家庭教師の仕事は「楽なアルバイト」の代表例になっているんじゃないでしょうか?
■勝機を感じました。
もし、家庭教師業界、塾業界ではびこる悪徳な常識を覆し、しっかりとフェアな公平なものにできたら、普通にNo.1の家庭教師事業にできるんじゃないか。
そう思ったので、僕はこの事業をはじめました。
まだまだ全てを成果主義にできてはいませんが、いまの塾・家庭教師業界にありがちな
・家庭教師の研修や管理をしっかりしてるしてる詐欺
・一部の伸びた生徒のみの結果を大々的に広告
・時間料金は安く見せて管理費とかテキスト代が高額
などなど、様々な悪徳な部分をしっかり変えていきたいと考えています。
これらで仕組み的に解決できるものはすでに解決しているものもありますが、もっともっとフェアで圧倒的に「正しい」家庭教師事業のあり方を模索しています。
今後とも、いろいろな部分で進化していきますので、どうぞ、家庭教師神大生の本気。をよろしくお願い致します。お読みいただき、ありがとうございました!
19/11/13
19/10/30
19/10/25
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■大学生のアルバイトでの家庭教師経験
神戸大学生の頃、僕もまた家庭教師仲介業者に登録してアルバイトをしていました。
ある時、登録した会社から電話がかかってきて
「吉村先生ですか?あの、担当してほしい案件がありまして…」
どんな案件かというと、中学3年生の中高一貫校の女の子で、中間テスト対策を2週間だけ受け持ってほしいという内容でした。
ただ、なんと担当する科目が【化学】と【生物】でした。。。
僕はそもそも会社に教師登録した時に、指導可能科目として【英語・数学・国語】の3科目しか登録していません。っていうか、センター試験の理系科目は物理だったので、化学も生物も全く勉強していませんでした。
当然、お断りしました。
ところが翌日、その翌日、そのまた翌日も会社から何度も電話がかかってきます。
「吉村先生しかいないんです!なんとかなりませんか?」
「吉村先生だけが頼りなんです」
「時給も少しだけなら交渉できるので・・・」
そもそも対応できない科目だし、断ってるのにあまりにしつこい電話に嫌気が指したのですが、もうこのままでは何回断っても電話がかかってくると思ったので、もう諦めて引き受けることにしました。たったの2週間だしと思って。
家庭教師業者って本当、いい加減ですよね。家庭教師を派遣さえできて、クレームさえ来なければ良いんですから。
仕方なく、2週間限定で受け持つことになりました。
■冷静に考えれば、定期テスト対策ってめちゃくちゃ簡単じゃない?
生徒の状況はなかなか悲惨なものでした。
250人ほどいる学年での化学の前回順位は246位。生物は200位くらい。
生徒自身が不真面目というわけではなく、苦手で授業にもついていけず、どうしようもなくそうなっているような状態でした。
ちなみに、僕にも化学や生物のことはわからないので、どうしようかなぁと考えていましたが、ふと、僕は思いました。
「定期テストってだいたいワークとかやってれば点数とれるくない?さらに言えば、ぶっちゃけ、理解していなくても答えさえ書ければ点数は取れるわけで。。。」
例えば、ミトコンドリアで生み出されるものはなにか?という問いに対して、ミトコンドリア内で何が起こっているかがわかってなくても、さらに言えばミトコンドリア自体がなんのことかどこにあるのか全くわかってなくても、とりあえずこの問いには「エネルギー」と答えられたら正解し、点数がもらえるわけです。
「この問いには『エネルギー』と答えるんだよ?」と教えられた小学1年生がいたとして、その小学生がよくわからず「エネルギー」と答えても点数になるんです。
そして、だいたい教科書やノートを見ればテストに出そうなところはわかるじゃないですか!
そうふと思ったとき、とりあえず2週間しかないし、教科書から出そうなところだけ抜き出して、一問一答問題集作ろうとなり、実際に僕もよくわからないまま、問題集を作りました。
■週4回、集中的に行った授業では、一問一答とワークを繰り返しただけ。
ひたすらテスト範囲の一問一答を口頭で繰り返していきました。
最初は全く答えられなくても、その都度、答えを確認して何回も繰り返せば覚えていきます。漢字が書けるかどうかは気になるものについてのみ、その都度、確認していきました。
ある程度、出来上がったら、つぎは逆に問題の方を覚えてもらいました。
2週間これを繰り返した結果、テストの成績発表で、まさかの結果が返ってきました。
化学…96位(約250人中)
生物…116位(約250人中)
※生物に関しては正確な順位を覚えてませんが…。
まさかの結果に、親御さんが大興奮。本人も大喜び。笑
親御さん曰く、塾にいかせても京大生の家庭教師をつけても、個別指導にいかせても成績が上がらなかったのに、なぜ!吉村先生すごい!!!ということでした。
こんなに成績が向上することを誰が予測していたでしょうか。たった2週間で、です。
僕も相当、嬉しかったです!笑
■僕のテンションは急降下し、感じた「違和感」
僕はこのたった2週間の自分の成果に嬉しくなり、友達に自慢しました。
「え、すげ!笑」
「それはやばいなぁw」
「めちゃ頑張るやん!」
そんな反応が返ってくる中、ある友達の発言で、急激に僕のテンションは急降下しました。
「すごいやん!笑 まぁでもおれ、1時間だべっとくだけで3000円もらえるけどなw」
僕の時給は1350円でした。
僕は、授業時間外にテスト範囲の教科書のコピーをみながら、一問一答集を作っていました。そんな時間外労働を考えたら時給は1350円なんか遥かに下回ります。。
「なんで?」
急に、疑問が湧き始めました。
「こんな頑張って成果出しまくった僕と、1時間だべってるだけの友達で、なんで友達の方が時給が倍以上も高いん…?」
待って?
僕、2時間頑張ってひたすら口頭で一問一答解かせてるのに2700円やで?
あいつ2時間、適当にやって6000円やで?
…おかしいやん!!!!!!(泣)
これは絶対におかしい!こんなに絶対に間違ってる!
そう思った瞬間、なんで成果主義じゃないねん!成績伸ばしたら伸ばした分だけ親御さんのニーズ満たしてるねんから!なんで給料一緒なん?どう考えてもおかしいやん!
こうして、なぜ成果主義じゃないのか、という「違和感」そして、塾や家庭教師業界の中にあるおかしな現実に気づいてしまったのです。
■塾や家庭教師の仕事は教えることじゃない。
気づきました。僕は家庭教師の仕事の本質に。
家庭教師や塾の先生の仕事は、教えることではない。
…成績を伸ばすことだ。
そうです。「教えること=成績を伸ばす」ではありません。
要は、教えたからといって成績が伸びるわけではないということですね。
だとしたら、成績を伸ばしていない塾や家庭教師は仕事をしていないことになります。
ええ、彼らは仕事をしていません。僕ははっきりとそう捉えています。
なぜなら、親御さんが求めているのは志望校合格やその為に成績を上げることだからです。それを求めて、塾や家庭教師をつけているのに、そのニーズに応えていなければ全く意味がありませんよね?
もちろん、親御さんのニーズとして、成績が伸びなくてもこの「努力する」という経験は子供の将来にも繫がるし…というのもあるかと思いますが、そういったものは何も勉強である必要はありません。
そう考えると、家庭教師の本質的な仕事は「成績を伸ばすこと」であり、僕は2週間で誰よりも成績を伸ばしました。
ということは、誰よりも仕事をしたのです。なのにも関わらず、これまで成績を伸ばせなかった教師と同じ時給、むしろ、授業時間外に問題を作成していたことを考えればそれよりも低い報酬だったりします。
これはおかしいと思いました。
■悪徳な塾・家庭教師業界
よく考えてみると、塾・家庭教師業界にはおかしな点がたくさんあります。
その最も大きな点が「成績を上げても下げても同じ料金」というものです。
これは一見、当たり前のように見えるし、確かに「成果によって料金を変える」というのは、成果をどうやって測るか、誰のどの指導が成績向上に繋がったかなどがわからないので難しいです。
さらに、どんなに頑張って指導してもなかなか上がらない生徒がいるのは確かだし、生徒にそもそものやる気がなければ大幅な成績向上は難しい場合が多いからです。
ただ、上記のように指導する側がどんなに頑張っても…というほどに一生懸命頑張っていれば良いんですが、この「成績を上げても下げても」というのは逆に「成績が上がらなくても仕方がない」という逃げ道を与えているのです。
「私はしっかりと指導しました」
といえばこっちは精一杯したけど「あなたのお子さんが点数とれなかったんです」という意味になり、親御さんは何もいえないかもしれません。
塾や家庭教師はそのように逃げることが可能です。正直、指導する人間の責任感にすべてがかかっています。果たして、本当にそれで良いのでしょうか?
そんなのが当たり前の常識として存在しているからこそ、家庭教師の仕事は「楽なアルバイト」の代表例になっているんじゃないでしょうか?
■勝機を感じました。
もし、家庭教師業界、塾業界ではびこる悪徳な常識を覆し、しっかりとフェアな公平なものにできたら、普通にNo.1の家庭教師事業にできるんじゃないか。
そう思ったので、僕はこの事業をはじめました。
まだまだ全てを成果主義にできてはいませんが、いまの塾・家庭教師業界にありがちな
・家庭教師の研修や管理をしっかりしてるしてる詐欺
・一部の伸びた生徒のみの結果を大々的に広告
・時間料金は安く見せて管理費とかテキスト代が高額
などなど、様々な悪徳な部分をしっかり変えていきたいと考えています。
これらで仕組み的に解決できるものはすでに解決しているものもありますが、もっともっとフェアで圧倒的に「正しい」家庭教師事業のあり方を模索しています。
今後とも、いろいろな部分で進化していきますので、どうぞ、家庭教師神大生の本気。をよろしくお願い致します。お読みいただき、ありがとうございました!